Psychedelics

アヤワスカとは?

Ayahuasca(アヤワスカ)は、(現在の)南米の古代アマゾンの部族などが精神的/宗教的な目的で数千年前から使用していた幻覚作用などを持つ漢方薬のようなもので、現在でも南米(ペルー、ブラジル、コスタリカなど)やメキシコやアメリカで神聖な薬として使用されています。

アヤワスカという名前はケチュア語に由来し、アヤは魂や祖先、ワスカは蔓(つる)や縄を意味します。

アヤワスカはPsychotria viridis(サイコトリア・ビリディス)の葉とBanisteriopsis caapi(バニステリオプシス・カーピ)の茎から作られますが、Diplopterys cabrerana(ディプロプテリス・カブレラナ ) などの特定のアカザ科の葉、Nicotiana sp., Datura sp. やCapsicum sp. などのナス科タバコ族の植物を加えることもあります。

Psychotria viridis(サイコトリア・ビリディス)

メキシコ、南米に生息するアカネ科の多年生の植物。ケチュア語で、チャクルーナと言います。

本種の葉は約0.1-0.61%のN,N-ジメチルトリプタミン (DMT) や、β-カルボリンN-メチルトリプタミン(NMT)といったアルカロイドを複数含有します(アルカロイドは朝に最高濃度となると言われています)

日本では合法(?)

https://www.mhlw.go.jp/houdou/2006/07/h0728-3.html

Banisteriopsis caapi(バニステリオプシス・カーピ)

南米に生息するキントラノオ科(マルバハギ科?)のつる植物。本種はハルマラ・アルカロイドのハルミンとハルマリン、テトラヒドロハルミンを含有します。これらのアルカロイドは、モノアミン酸化酵素阻害薬(MAOI) として作用するβ-カルボリン系のアルカロイドです。

アヤワスカに含まれる幻覚物質の一つであるN,N-ジメチルトリプタミン(DMT)は通常経口摂取した場合、肝臓や消化管にあるモノアミン酸化酵素(MAOs)と呼ばれる酵素によって急速に分解されてしまうため、生物学的利用率が低くなります。しかし、このMAOIはDMTを経口で摂取しても作用するようにする事が可能です。

ちなみに、DMTを含む植物を燃焼させて経肺摂取する場合はチャンガやDMTを結晶化させたものを使用します。それらの効果は5~30分程度です。チャンガ, DMTについて興味のある方は以下の動画をご視聴ください。

このため、DMTを経口摂取で長く効かせる場合、MAO阻害剤(MAOI)を含むものと併用する必要があり、これによりDMTの効果を長く発揮させることが可能になります(MAOI自体にも精神活性作用があります)

本種の茎には、0.11-0.83%のβ-カルボリンが含まれ、ハルミンとテトラヒドロハルミンがその主な組成物となっており、 本種の全部位にアルカロイドが含まれています。

アメリカ合衆国でのカーピの規制はありません。日本でも合法(?)

Diplopterys cabrerana(ディプロプテリス・カブレラナ)

Diplopterys cabrerana(ディプロプテリス・カブレラナ)は、南米(ブラジル、コロンビア、エクアドル、ペルー)アマゾン原産のつる植物で、ケチュア語でChaliponga(チャリポンガ)若しくはChagropanga(チャクロパンガ)と呼ばれています。

N,N-ジメチルトリプタミン(DMT)や5-MeO-DMT、ブフォテニン、N-メチルテトラヒドロ-β-カルボリンなどのアルカロイドを葉や茎にを豊富に含有します(葉のサンプルからは、0.17-1.75%のN,N-DMTを含むことが判明しています)

日本では合法(?)

◆DMTとは?

DMT(N,N-ジメチルトリプタミン)は、人間を含む多くの植物や動物に含まれる幻覚作用のあるインドールアルカロイドです。DMTはその強烈なサイケデリック体験から、「精神の分子」「神の分子」と呼ばれることもあります。よくネット上ではDMTはLSDの100倍強力だとも言われています。

2013年、研究者はげっ歯類の松果体マイクロダイアリゼートにDMTが含まれていることを報告しました。

また、心停止させたラットでは、視覚野のDMT濃度が有意に上昇しました。この結果は、ラットの脳が既知のモノアミン神経伝達物質と同等の濃度でDMTを合成・放出できることを初めて示し、この現象が人間の脳でも同様に起こる可能性を提起しています。

◆アヤワスカの製造方法

▲アヤワスカの製造の様子

伝統的には、アヤワスカの儀式を取り仕切るシャーマンやカランデーロが、サイコトリア・ビリディスの葉とバニステリオプシス・カーピの茎をちぎったものを水で煮て調合します。

バニステリオプシス・カーピの茎は、薬効成分の抽出を高めるために、煮る前に叩いて潰します。

シャーマンの好みに合わせて煮詰めた後、水を取り出して保存し、植物を残します。この工程を繰り返し、高濃度の液体を作り出します。そして冷やした後、不純物を取り除くために濾します。

◆アヤワスカの作用は?

▲DMT、LSDを投与した際のニューロンの変化

アヤワスカには例えば以下の様な効果があると言われています。

●幻覚作用

●マインドフルネスの向上

●鬱の治療

●薬物依存の治療

●PTSDの治療

●意識の変容

神経画像検査の結果、アヤワスカの主成分であるサイコトリア・ビリディスとバニステリオプシス・カーピは、内側側頭葉、扁桃体、海馬を含む感情や記憶を制御する脳の領域への血流を増加させることが報告されています。それらは幻覚作用中枢神経系に作用し、幻覚や幽体離脱、多幸感などの意識の変容をもたらします。

また、DMTを摂取することで、抗ストレスタンパク質と抗酸化タンパク質の生産量が増加し、脳の一部を保護し、回復させる可能性がある様です。

マウスを用いた2017年の研究結果では、アヤワスカに含まれる主要なβ-カルボリンであるハルミンが、炎症や酸化ストレスを抑えるため、神経保護や認知機能向上効果がある可能性が示唆されています。しかし、これらの結果をヒトで確認する研究が必要です。

また、ハルミンは神経細胞(ニューロン)の生存を助け、ニューロン間の結合を維持する役割を果たすタンパク質である脳由来神経栄養因子(BDNF)レベルの上昇と関連するとの事です。さらに、ハルミンとバニステリオプシス・カーピに含まれる他の物質が、成人のニューロン新生を刺激することが報告されています。

アヤワスカはたった一度の摂取で人間の意識を半永久的に変化させる可能性があると言われており、また、鬱や薬物依存の治療に使用できるのでは無いかと注目を集めています。アヤワスカの儀式に参加した人々を対象とした2018年の研究では、儀式後にうつ病とストレスの評価が有意に低下することがわかりました。これらの抑うつ度の低さは、儀式後4週間持続しました。他の研究ではこの証拠を支持し、アヤワスカの単回投与は、治療抵抗性うつ病の人々に迅速な抗うつ効果をもたらす可能性があることを示唆しています。この抗うつ効果は数週間持続します。

また、さらに他の研究によると、アヤワスカは以下の様な不安障害や気分障害の治療にも役立つ可能性があるとのことです。

・心的外傷後ストレス障害(PTSD)

2018年の研究論文は、アヤワスカがPTSDの人に有益である可能性を示唆しています。抑圧された記憶の検索を助け、脳が関連する恐怖反応を再プログラムまたは消滅させる手助けをする可能性がある様です。しかし、PTSD患者に対するアヤワスカの安全性と有効性を確立するために、この分野でのより多くの研究が必要です。

・物質使用障害

いくつかの研究によると、アヤワスカは、物質使用障害を持つ人々にも有益である可能性があります。物質乱用からくる心理的、行動的問題を抱える12人を含む小規模な研究では、4日間の治療プログラムの一環として、2回のアヤワスカの儀式を行いました。6ヶ月後、参加者はポジティブで持続的な変化を報告し続けました。また、全体的なQOLスコア(生活の質)、マインドフルネス、エンパワーメントと希望の感覚にも改善が見られました。(アルコール、タバコ、コカインの使用量は大幅に減少したが、大麻とアヘンの使用量には変化がなかったと報告されています)

・自殺念慮レベルの低下

2019年の研究では、生涯サイケデリックス(幻覚剤)を使用することで自殺念慮のレベルが下がることを示唆しています。この研究は、アヤワスカが自殺念慮の一因となりうる精神衛生上の問題の治療として有望であることが示唆されています。

◆スピリチュアルな面でのアヤワスカの効果

前述した様に、アヤワスカは数千年も前から(現在の)南米の部族によって治癒薬として使用されてきました。数千年前といえば、当然 “科学” というものは存在せず、世界中の人々は直感的なものや神などを基準に物事を考えていました。

世界中に様々な伝統的な儀式が存在するように、彼らはアヤワスカを精神的・肉体的な治療/宗教的な目的で使用しており、アヤワスカには様々な効果があると言われています。例えば以下の様なものがあります。

●洞察力や感情的な癒しを与える

●個人の成長を促す

●神や精霊と繋ぐサポートをする

●気づきを得る

◆アヤワスカの副作用は?

アヤワスカにはいくつかの副作用があり、中には重症化する人もいる事から、誰もが安易なノリで摂取するべきではありません。特に心臓に疾患のある方や統合失調症、精神病などを患っている方は避けるべきでしょう。また、他の薬を使用している人は、飲み合わせに関して非常に注意しなければなりません。

副作用の例として、以下の様なものがあります。

●嘔吐/下痢

●パラノイア

●長期的な幻覚作用の持続、フラッシュバック

●血圧の上昇

◆アヤワスカの効果持続時間は?

アヤワスカは20~60分で効き始め、その効果は約6時間持続します。

個人的な感覚では、アヤワスカの効果の強弱には波があります。また、シャーマンによる楽器の演奏や歌の波長によってもアヤワスカの効果は変動しました。

◆アヤワスカは合法か?

●世界では?

アヤワスカは殆どの国で違法とされています。合法な国としては、メキシコ、ブラジル、ペルー、コスタリカなどがあります。アメリカの場合は特殊であり、DMTは米国ではスケジュールIの規制薬物ですが、信教の自由回復法に基づき、União do Vegetal(UDV)の会員がこの物質を飲む権利を支持しました。

※UDVとはブラジルに拠点を置く宗教団体であり、世界中に会員が存在します。UCLA医学部の精神科医チャールズ・グロブによるUDVメンバーの研究では、彼らは心理的にも肉体的にも平均より健康であることが判明し、彼はうつ病の治療法としてアヤワスカを推奨しています。

●日本では?

アヤワスカは違法ではありませんが、日本では現在、「京都アヤワスカ茶会裁判」として有罪/無罪をめぐる裁判が行われています。

・2019年 大学生が、自宅で青井硝子氏が運営する「薬草協会」より購入したアカシアを服用し、救急搬送。青井硝子氏は、その後複数回、逮捕と勾留、起訴、裁判を受けています。また、2022年9月には、懲役3年/執行猶予5年の判決が下されました。

以上の事から、アヤワスカを日本で所持及び使用することはお勧めはしません。

◆アヤワスカを経験するには?

シャーマンと呼ばれるヒーラー。幻覚剤の知識と経験が豊富であり、儀式をサポートしてくれる。

アヤワスカは元々、宗教的な目的で部族の人々に使用されていましたが、現在では世界的に人気が高まり、そのハードルは下がってきています。現在はアンダーグラウンドで世界中にも僅かながら流通し、南米に行かなくても使用は不可能ではありません。

とはいえ、基本的にアヤワスカはペルー、コスタリカ、ブラジル、メキシコなどで合法的に使用されており、希望者はツアーや治療プログラム、儀式として参加する形になります。アヤワスカは、経験豊富なシャーマンの指導のもとで使用することが強く推奨されています。アヤワスカは、何時間も続く強力な意識の変容をもたらし、中には暴れたり大きな副作用が出る人もいるからです。また、本場としてのセッティングを求める方にとっては南米のシャーマンによる儀式を受けることを個人的にお勧めします。

これは外国人が初めて着物を着る場合に例えると、外国の自宅で着るのか、若しくは日本の京都の寺で着るのとではどちらがオススメか?というのに似ています。さらに、アヤワスカは着物とは違って強力な精神作用があり、最初の体験が非常に重要なものになります。セットとセッティングによって感じ方は大きく異なる可能性があるので、折角経験するのであれば本場の南米のシャーマンのもとで経験するのが良いでしょう。

話を戻します。

アヤワスカの儀式に参加する前に、参加者は体を浄化するためにタバコ、ドラッグ、アルコール、セックス、カフェインなどを控えることが推奨されています。また、2~4週間前からベジタリアンやヴィーガンなど、様々な食事制限をすることが推奨されることもあります。これは、体内の毒素を解放するためと言われています。

ちなみに、南米でアヤワスカの儀式を受ける場合はオンラインで予約をしてやりとりをし、当日現地で待ち合わせをするような形になります。

◆アヤワスカの儀式の流れ

アヤワスカの儀式の流れは地域やシャーマンによって異なる場合があります。日本人がアヤワスカを体験する場合、最も多いのがペルーのサンフランシスコ村の様です。ペルーでのアヤワスカの儀式の流れがわかりやすい動画を青汁王子が載せていたのでこちらからご確認ください。

青汁王子は鬱の治療のためにペルーでアヤワスカの儀式を受け、鬱が改善した様です。

アヤワスカの儀式は通常、夜間に行われ、アヤワスカの効果が切れるまで続きます。儀式を進めるシャーマンが空間を整え、参加者にアヤワスカが提供されます。

アヤワスカは非常に苦く、口に含んだ瞬間に吐き出しそうになりますが、当然それは我慢して飲み込まなければなりません。また、飲み込んだ後も強い吐き気がありますが、約一時間は吐くのを我慢する必要があります。アヤワスカを飲むと、ほとんどの人は20~60分以内にその効果を感じ始めます。効果は用量に依存し、約6時間続きます。

アヤワスカへの反応は人それぞれ異なります。アヤワスカの儀式を複数人で受けた時、それぞれが違う反応をするので、それがよく分かります。ある人は多幸感を感じ、ある人は悟りの感覚を経験し、ある人は激しい不安とパニックを経験します。また、それらの様々な体験を数時間の間にローテーションで経験する人も多いでしょう。アヤワスカを使用すると、ポジティブな効果とネガティブな効果の両方を経験することは珍しいことではありません。前述したように、シャーマンが音楽や歌を使って参加者たちの感情とトリップをコントロールする事もあります。

これよりGRAYの経験を元に、個人的にアヤワスカによって感じた事を書いていきます。

まず、アヤワスカを摂取すると激しい吐き気を催しました。これは基本的に全ての人に共通することだと思います。自分の場合1杯のアヤワスカでは嘔吐は我慢できましたが、2杯のアヤワスカでは嘔吐を我慢することは出来ませんでした。吐き気にも波があり、吐き気を我慢しているときは非常に苦しかったです。アヤワスカを摂取してから1時間以上が経っているのであれば、吐いてしまう事をお勧めします。

アヤワスカの効き始めは、効いているのか効いていないのか分からない状態になりました。シャーマンは、たまにアヤワスカが効きづらい人もいると言い、チャンガ(吸引タイプのDMT)をくれました。チャンガを吸ってから、アヤワスカの効果をしっかりと感じ始めました。

自分はアヤワスカではハッキリとした幻覚は見ることは出来ませんでしたが、殆どの人は幻覚を見ることが多い様です(自分は幻覚を見にくい体質です) 聞いた話によると、動物や虫、正体不明の生物が見えたという人もいれば、模様の様なものが見えたという人もいる様です。見えるものは人それぞれ異なります。

精神的な面で言うと、自分は過去/現在/未来の自分について考えていました。これまでの人生を思い返したり、現在の自分を見つめ直したり、自分の目標とそれを達成するにはどうすればいいのか?という事などです。後は自分の過去のトラウマやコンプレックス、改善点などが浮き彫りになり、それに苦しめられました。大麻やLSDでもそのような経験はするかと思いますが、アヤワスカは効果が強い分、それも強力です。

自分の場合はシャーマンは若い女性と男性だったのですが、女性シャーマンがギター(?)を弾きながら穏やかな歌を歌ってくれている時は、苦しみから解放されて穏やかな気持ちになれました。シャーマンは曲で自分の感情をコントロールしてくれている様でした。

アヤワスカの熟練者であるシャーマンは、参加者がアヤワスカを体験中、参加者の安全性を監視もしてくれます。場合によっては緊急事態に備え、医療スタッフが常駐しているところもある様です。シャーマンがいなければ、良い経験をするのは難しいかと個人的には思います。

◆アヤワスカの儀式を終えた後は?

アヤワスカの儀式を終えた直後は、自分の行動などを反省して改めようという気持ちになりました。しかし、それから日数が経つと元の自分に戻っていく様に感じました。そういう時は、アヤワスカで感じたことを思い出す様にしています。

◆最後に

最後に、自分のアヤワスカの体験をYouTubeに載せたものを貼っておきますのでチェックしてみて下さい。

【前編】メキシコでアヤワスカの儀式受けてみた
【後編】メキシコでアヤワスカの儀式受けてみた