Psychedelics

サイケデリックスとは?

◆サイケデリックスの定義

▲マジックマッシュルーム

サイケデリックスとは日本語で幻覚剤、若しくはその影響下にある状態のことを指します。

幻覚剤とは幻覚作用を持つ科学物質、植物などの事を言い、例えばLSD、マジックマッシュルーム、アヤワスカ、チャンガ、ブッフォ、ペヨーテ、サルビア、ケタミン、2C-B、イボガ、(MDMA)などがあります。

また、アメリカの医学/精神医学/薬学の名誉教授であるLeo E. Hollisterが定義したサイケデリックスの条件は以下の通りです。

●他の作用に比例して、思考、知覚、気分の変化が優勢であること。
●知的障害または記憶障害は最小限であること。
●昏睡、麻薬、過度の刺激は不可欠な効果では無いこと。
●自律神経系の副作用が最小限であること。
●中毒的な渇望が無いこと。

殆どのサイケデリックスは、トリプタミン、フェネチルアミン、リゼルガミドという3つの化学化合物群のいずれかに分類され、セロトニン2A受容体アゴニズムを介して作用する傾向があります。

この事から、大麻(カンナビノイド)やアンフェタミン及びコカインなどは、サイケデリックスには含まれません。

◆サイケデリックスの効果

▲シャーマンによるアヤワスカの儀式を受ける人々

サイケデリックスには幻覚作用だけではなく、肉体面と精神面において様々な効果があります。

精神的な作用は、使用状況(環境、精神状態、自己評価、知能や知識、経験など)に依存します。

●環境

クラブで騒ぐために友人とLSDを使用すれば、狂ったような楽しい体験になるでしょう。

家で恋人とMDMAを使用すれば、普段よりも強い愛を感じることができると思います。

大自然の中でマジックマッシュルームを使用すれば自然の偉大さを感じ、

南米のシャーマンによる儀式の元でアヤワスカを使用すれば、自分と向き合うことになるでしょう。

●精神状態

『異性に振られて落ち込んでいる時にMDMAを使用した場合』と『異性に告白しOKを貰って幸せの絶頂にいる時にMDMAを使用した場合』を比較すると、前者はバッドトリップに入る可能性が高く、後者は良い体験をする可能性が高いでしょう。

●自己評価

『自分はダメで改善点が多い人間だ』と思える人と、『自分は成功していて良い人間だ』と思っている人では、前者はバッドトリップに入る可能性が高く、後者は良い体験をする可能性が高いかと思います。

●知能や知識

『普段何も考えずになんとなく日々を過ごしている人』と『日々考え事や勉強をしていて色々な事を知っている人』を比較した場合、当然前者よりも後者の方が深い思考を得ることが可能です。しかし、深い思考を得ることでバッドトリップをする可能性も高くなると、個人的に思います。

●経験

サイケデリックスを使用すると、過去の経験を思い出す事が多々あります。良い経験を思い出せば幸福感を得る事ができますが、悪い経験を思い出すとバッドトリップをする可能性が有ります。

◆バッドトリップとは?

主に幻覚剤の影響下にある状態を『トリップ』と言います。トリップをしていると、ネガティヴな感情にベクトルが向くことがあり、それを対照的に『バッドトリップ』若しくは日本では『バッド』と言います。バッドに入ると、非常に不安で憂鬱な気持ちになり、精神的に弱い人であれば、鬱になったり最悪自ら命を絶つ人もいます。

バッドトリップは初心者に多く見られますが、経験豊富な人においても十分見られます。

◆セットとセッティングとは?

バッドトリップを避けるには『セットとセッティング』に注意する必要があります。「セット」とは精神状態のことを言い、「セッティング」とは身体と環境のことを言います。

◆バッドトリップの回避方法

・作用、副作用とその対処法、作用時間を把握しておく

サイケデリックスは、それぞれ効果やその強さ、作用時間が異なります。副作用が現れた時の対処法も把握しておきましょう。

・他の薬との飲み合わせや持病に注意する

抗うつ剤や精神安定剤を使用している場合や、他のドラッグと併用した場合、危険が伴います。

・用法、用量を守る

使用方法や量を誤れば、危険が伴います。しっかりと用法と容量は調べておきましょう。

・初心者は信頼できて仲の良い経験者についてもらう

車の運転や仕事など、どんな事にも言える事ですが、初心者は経験者に見てもらうことで事故を防ぎやすくなります。しかし、親しくなかったり信頼できない人だと逆効果となる場合があるので、仲の良い友人や恋人を推奨します。

・安全で安心できる場所で使用する

恋人などと一緒であれば家の中がオススメです。友人と一緒であったり一人であれば、自然の中やクラブなどが良いでしょう。人や車が多い街中などでは、バッドに入ったり事故に遭う危険が高くなります。

・気分や体調が良い時に使用する

気分や体調が悪い時に使用すれば、更なる体調不良やバッドトリップに繋がる可能性が高くなります。

・必ず素面に戻れる事を意識する

DMTや濃縮サルビアなどの強力な幻覚剤を使用すると、「2度と効果が切れないのではないか?」「死ぬのではないか?」とパニックに陥る事があります。それを防ぐには、「時間になれば必ずその効果が切れる」と自分に言い聞かせる事が大切です。

・楽しくなるものを用意しておく

考え事をしすぎると、ネガティヴな感情が生まれ易くなります。面白い動画や映画、アニメを見たり、好きな音楽を流せばそれを回避し易くなります。

・深呼吸をする

深呼吸をすると、人は落ち着き易くなります。特にDMTなどを使用したときは、常に深呼吸をして安定した精神を保つ必要があります。

◆バッドトリップのメリット

バッドトリップは辛くて苦しい事から、誰もが避けたいものかと思います。しかし、バッドトリップに入ることで得られるものもあります。

サイケデリックスを使用して考え事をすると、自分自身の弱点や改善点を突きつけられ、バッドトリップに入る事があります。しかし、そこでしっかりと自分自身と向き合い、それを普段の生活に活かすことができれば、より良い人生を送ることができる可能性が有ります。

◆悟りとは?

サイケデリックスの醍醐味と言えば、 “悟り” だと思います。

悟りと言うと、僧侶のようなものを思い浮かべる人が多いかと思いますが、そのような限定的なものではなく、もっと日常的なことのことも指します。広辞苑には『理解すること』『気付くこと』『真理を会得すること』と記載されています。つまり、サイケデリックスを摂取したことで何かに気付いた場合、それは悟りを得た事になります。

サイケデリックスの経験があれば、何かしらの気づきを得たことがある人が殆どかと思います。これには個人差がありますが、筆者自身の経験で言えば、例えば『人生において大切な事』『今の自分の改善点』『自然の摂理』についてがあります。

サイケデリックスの使用は、日常の当たり前な事から天文学的なことまで多くの閃きやヒントに繋がる場合があります。しかし、前述したように、それはその人の知能や知識、経験、使い方に依存する事から、大きな個人差があります。

◆サイケデリックスの歴史

▲古代の壁に描かれたキノコのような絵

⚫︎古代人による使用

サイケデリックスには様々な物質及び植物などが存在し、それぞれに歴史があります。

人類におけるサイケデリックスの歴史は、数千年前まで遡ります。現在のオーストラリアやスペイン、メキシコなどではマジックマッシュルームを儀式や治療などに使用していたと思われる壁画が多数発見されています。

特にアメリカ大陸の先住民の間ではそれが盛んであり、ジックマッシュルーム以外にもペヨーテやサルビア、ブッフォ、アヤワスカなどが古くから使用されていました。

⚫︎ヒッピーブーム

1938年にサイケデリックスの父の異名を持つスイスの科学者アルバート・ホフマンがLSDを合成して以来、世界中でLSDが流行し、人々に大きな影響を与えました。その後LSDを使用して事故や反政府活動を行う若者が増えた事から、LSDは世界中で規制される流れとなりました。また、その他の幻覚物質も同時期に規制されました。

⚫︎現在

現在ではサイケデリックスはレクリエーションドラッグとして若者が使用する一方で、それらの物質は鬱に効果的として研究が進められています。北米では合法化も進んでいます。

◆最後に

▲自身のLSDの使用について “人生で最も重大な経験の一つ” と語る Steve Jobs

サイケデリックスの経験は、人によっては人生における最大のイベントの一つになり得ます。特にDMTはその可能性を十分に秘めています。その経験が成功のキッカケになるかもしれませんし、ただの遊びで終わるかもしれません。

サイケデリックスは比較的安全性の高いドラッグですが、使用方法などを誤ると危険が伴います。北米では合法化も進んでいるので、興味のある方は調べてみると良いかと思います。

【各サイケデリックスの解説記事】