Psychedelics

チャンガとは?

チャンガ(Xanga/Changa)とは、アヤワスカの原材料でもあるサイコトリア・ビリディス(Psychotria viridis)の葉とバニステリオプシス・カーピ(Banisteriopsis caapi)の茎を細かくして配合したものです。

チャンガとアヤワスカとの違いは、チャンガが吸引タイプであることに対して、アヤワスカは経口タイプであるという事になります。    

Psychotria viridis(サイコトリア・ビリディス)

メキシコ、南米に生息するアカネ科の多年生の植物。ケチュア語で、チャクルーナと言います。

本種の葉は約0.1-0.61%のN,N-ジメチルトリプタミン (DMT) や、β-カルボリンN-メチルトリプタミン(NMT)といったアルカロイドを複数含有します(アルカロイドは朝に最高濃度となると言われています)

Banisteriopsis caapi(バニステリオプシス・カーピ)

南米に生息するキントラノオ科(マルバハギ科?)のつる植物。本種はハルマラ・アルカロイドのハルミンとハルマリン、テトラヒドロハルミンを含有します。これらのアルカロイドは、モノアミン酸化酵素阻害薬(MAOI) として作用するβ-カルボリン系のアルカロイドです。

チャンガに含まれる幻覚物質の一つであるN,N-ジメチルトリプタミン(DMT)は摂取した場合、モノアミン酸化酵素(MAOs)と呼ばれる酵素によって急速に分解されてしまうため、生物学的利用率が低くなります。しかし、このMAOIはDMTを摂取しても作用するようにする事が可能です。

このため、DMTはMAOIと併用する必要があり、これによりDMTの効果を長く発揮させることが可能になります(MAOI自体にも精神活性作用があります)

本種の茎には、0.11-0.83%のβ-カルボリンが含まれ、ハルミンとテトラヒドロハルミンがその主な組成物となっており、 本種の全部位にアルカロイドが含まれています。

▲ディプロプテリス・カブレラナ(Diplopterys cabrerana)

サイコトリア・ビリディスとバニステリオプシス・カーピ以外にも以下のような他の植物が用いられることもあります。

ディプロプテリス・カブレラナ(Diplopterys cabrerana)は、南米(ブラジル、コロンビア、エクアドル、ペルー)アマゾン原産のつる植物で、ケチュア語でChaliponga(チャリポンガ)若しくはChagropanga(チャグロパンガ)と呼ばれています。

N,N-ジメチルトリプタミン(DMT)や5-MeO-DMT、ブフォテニン、N-メチルテトラヒドロ-β-カルボリンなどのアルカロイドを葉や茎にを豊富に含有します(葉のサンプルからは、0.17-1.75%のN,N-DMTを含むことが判明しています)

▲ミモザ・テヌイフローラ(Mimosa Tenuiflora)

ミモザ・テヌイフローラ(若しくはミモザ・ホスティリス)は、メキシコ南部からコロンビア、ベネズエラまで生息する植物です。

乾燥させたミモザ・テヌイフローラの根皮には、DMTが約1〜1.7%含まれており、 茎皮には約0.03%のDMTが含まれています。

▲アカシア (Acacia)

アカシア (Acacia) は、マメ科ネムノキ亜科アカシア属の総称であり、エジプトやアフリカ、オーストラリアなど世界中で薬として使用されていた様です。アカシア属はおよそ1350種が世界中に分布しており、そのうちの約1000種類がオーストラリアに分布しています。

アカシア属の植物には、DMTや5-MeO-DMT、NMTなどが含まれています。

◆DMTとは?

DMT(N,N-ジメチルトリプタミン)は、人間を含む多くの植物や動物に含まれる幻覚作用のあるインドールアルカロイドです。DMTはその強烈なサイケデリック体験から、「精神の分子」「神の分子」と呼ばれることもあります。よくネット上ではDMTはLSDの100倍強力だとも言われています。

2013年、研究者はげっ歯類の松果体マイクロダイアリゼートにDMTが含まれていることを報告しました。

また、心停止させたラットでは、視覚野のDMT濃度が有意に上昇しました。この結果は、ラットの脳が既知のモノアミン神経伝達物質と同等の濃度でDMTを合成・放出できることを初めて示し、この現象が人間の脳でも同様に起こる可能性を提起しています。

◆5-MeO-DMTとは?

https://youtu.be/-1HEj9Xt2yE
▲【前編】5-MeO-DMTの儀式

5-MeO-DMT(5-メトキシ-N,N-ジメチルトリプタミン/5-methoxy-N,N-dimethyltryptamine)若しくはO-メチルブフォテニン(O-methyl-bufotenin)は、トリプタミン系のアルカロイドです。

5-MeO-DMTは、上記の植物や、アメリカ南部からメキシコ北部にかけて生息するコロラドリバーヒキガエルの毒などに含まれます。

5-MeO-DMTには、DMTと同じく強力な幻覚作用があります。

◆チャンガの効果は?

▲DMT、LSDを投与した際のニューロンの変化

チャンガに関するデータは少ない事から、ここからはアヤワスカの効果について記載します。チャンガとアヤワスカの効果は基本的に類似しています。

アヤワスカには例えば以下の様な効果があると言われています。

●幻覚作用

●マインドフルネスの向上

●鬱の治療

●薬物依存の治療

●PTSDの治療

●意識の変容

神経画像検査の結果、アヤワスカの主成分であるサイコトリア・ビリディスとバニステリオプシス・カーピは、内側側頭葉、扁桃体、海馬を含む感情や記憶を制御する脳の領域への血流を増加させることが報告されています。それらは幻覚作用中枢神経系に作用し、幻覚や幽体離脱、多幸感などの意識の変容をもたらします。

また、DMTを摂取することで、抗ストレスタンパク質と抗酸化タンパク質の生産量が増加し、脳の一部を保護し、回復させる可能性がある様です。

マウスを用いた2017年の研究結果では、アヤワスカに含まれる主要なβ-カルボリンであるハルミンが、炎症や酸化ストレスを抑えるため、神経保護や認知機能向上効果がある可能性が示唆されています。しかし、これらの結果をヒトで確認する研究が必要です。

また、ハルミンは神経細胞(ニューロン)の生存を助け、ニューロン間の結合を維持する役割を果たすタンパク質である脳由来神経栄養因子(BDNF)レベルの上昇と関連するとの事です。さらに、ハルミンとバニステリオプシス・カーピに含まれる他の物質が、成人のニューロン新生を刺激することが報告されています。

アヤワスカはたった一度の摂取で人間の意識を半永久的に変化させる可能性があると言われており、また、鬱や薬物依存の治療に使用できるのでは無いかと注目を集めています。アヤワスカの儀式に参加した人々を対象とした2018年の研究では、儀式後にうつ病とストレスの評価が有意に低下することがわかりました。これらの抑うつ度の低さは、儀式後4週間持続しました。他の研究ではこの証拠を支持し、アヤワスカの単回投与は、治療抵抗性うつ病の人々に迅速な抗うつ効果をもたらす可能性があることを示唆しています。この抗うつ効果は数週間持続します。

また、さらに他の研究によると、アヤワスカは以下の様な不安障害や気分障害の治療にも役立つ可能性があるとのことです。

・心的外傷後ストレス障害(PTSD)

2018年の研究論文は、アヤワスカがPTSDの人に有益である可能性を示唆しています。抑圧された記憶の検索を助け、脳が関連する恐怖反応を再プログラムまたは消滅させる手助けをする可能性がある様です。しかし、PTSD患者に対するアヤワスカの安全性と有効性を確立するために、この分野でのより多くの研究が必要です。

・物質使用障害

いくつかの研究によると、アヤワスカは、物質使用障害を持つ人々にも有益である可能性があります。物質乱用からくる心理的、行動的問題を抱える12人を含む小規模な研究では、4日間の治療プログラムの一環として、2回のアヤワスカの儀式を行いました。6ヶ月後、参加者はポジティブで持続的な変化を報告し続けました。また、全体的なQOLスコア(生活の質)、マインドフルネス、エンパワーメントと希望の感覚にも改善が見られました。(アルコール、タバコ、コカインの使用量は大幅に減少したが、大麻とアヘンの使用量には変化がなかったと報告されています)

・自殺念慮レベルの低下

2019年の研究では、生涯サイケデリックス(幻覚剤)を使用することで自殺念慮のレベルが下がることを示唆しています。この研究は、アヤワスカが自殺念慮の一因となりうる精神衛生上の問題の治療として有望であることが示唆されています。

前述した様に、アヤワスカは数千年も前から(現在の)南米の部族によって治癒薬として使用されてきました。数千年前といえば、当然 “科学” というものは存在せず、世界中の人々は直感的なものや神などを基準に物事を考えていました。

世界中に様々な伝統的な儀式が存在するように、彼らはアヤワスカを精神的・肉体的な治療/宗教的な目的で使用しており、アヤワスカには様々な効果があると言われています。例えば以下の様なものがあります。

●洞察力や感情的な癒しを与える

●個人の成長を促す

●神や精霊と繋ぐサポートをする

●気づきを得る

◆チャンガの副作用は?

チャンガにはいくつかの副作用があり、中には重症化する人もいる事から、誰もが安易なノリで摂取するべきではありません。特に心臓に疾患のある方や統合失調症、精神病などを患っている方は避けるべきでしょう。また、他の薬を使用している人は、飲み合わせに関して非常に注意しなければなりません。

副作用の例として、以下の様なものがあります。

●嘔吐/下痢

●パラノイア

●長期的な幻覚作用の持続、フラッシュバック

●血圧の上昇

◆チャンガの効果持続時間は?

チャンガは吸引直後に効き始め、その効果は約5~30分間持続します。約6時間効果が続くアヤワスカとは対照的です。

◆チャンガは合法か?

●世界では?

チャンガは殆どの国で違法とされています。合法な国としては、メキシコ、ブラジル、ペルー、コスタリカなどがあります。アメリカの場合は特殊であり、DMTは米国ではスケジュールIの規制薬物ですが、信教の自由回復法に基づき、União do Vegetal(UDV)の会員がこの物質を飲む権利を支持しました。

※UDVとはブラジルに拠点を置く宗教団体であり、世界中に会員が存在します。UCLA医学部の精神科医チャールズ・グロブによるUDVメンバーの研究では、彼らは心理的にも肉体的にも平均より健康であることが判明し、彼はうつ病の治療法としてアヤワスカを推奨しています。

●日本では?

チャンガは違法ではありませんが、グレーゾーンなため詳細は現在確認中です。日本では現在、「京都アヤワスカ茶会裁判」として有罪/無罪をめぐる裁判が行われています。

・2019年 大学生が、自宅で青井硝子氏が運営する「薬草協会」より購入したアカシアを服用し、救急搬送。青井硝子氏は、その後複数回、逮捕と勾留、起訴、裁判を受けています。また、2022年9月には、懲役3年/執行猶予5年の判決が下されました。

◆チャンガを経験するには?

シャーマンと呼ばれるヒーラー。幻覚剤の知識と経験が豊富であり、儀式をサポートしてくれる。

チャンガは主にメキシコなどで使用されています。しかし、原材料は世界中で入手可能なため、どこでも使用する事が出来ます。

◆最後に

最後に、自分がチャンガを使用した感想を書いて終わります。

自分はチャンガをシャーマンによる儀式の元で使用しました。チャンガを吸引してすぐに、意識が別世界に行く様な感覚となり、目を閉じると色々な幾何学模様の幻覚が見えました。自分はLSDやマジックマッシュルーム、5-MeO-DMTやその他の幻覚剤では殆ど視界に変化が無かったのですが、このチャンガでは初めて鮮明に幻覚を見ることが出来ました。

幻覚以外にも、短時間の間に色々な感情や考えが生まれました。効果の持続時間は5-MeO-DMTと同じく約5~10分程度だったかと思います(人によっては30分ほど続きます)

チャンガは今では自分の最も好きな幻覚剤となっています。自分のチャンガの体験をYouTubeに載せたものを貼っておきますのでチェックしてみて下さい。

https://youtu.be/cgqry5_u3qQ
▲【前編】チャンガの儀式